幾度かこのコラムでも掲載しておりますが、
歯周病は様々な全身疾患を引き起こすリスクをあげるといわれています。
歯周病でまさか…と思われる方も多いかと思いますが、
これは本当の話です。
先日、九州大学によってある事が解明されました。
https://univ-journal.jp/29033/
これまで歯周病は認知症のリスクを約2倍引き上げると
いわれていましたが、具体的にその理由は解明されていませんでした。
今回、九州大学は
歯周病菌(ジンジバリス菌)が体内に侵入し、認知症の原因物質を脳に蓄積して
記憶障害が起きる仕組みを解明しました。
つまりこれまで、謎とされてきた
歯周病が認知症のリスクをあげる事を、ある意味証明したという事にもなります。
認知症の7割が「アルツハイマー病」いわれています。
アルツハイマー病患者は年々増加しており、国内でも患者は増えております。
アルツハイマー病はアミロイドベータ等の
異常たんぱく質が少しずつ蓄積されて、
発症し、進行していく病気とされています。
研究チームがおこなった研究によって、
正常なマウスと歯周病菌に感染した脳血管の表面では
アミロイドベータを脳内に運ぶ受容体(たんぱく質)の数が2倍に増え、
脳細胞にはアミロイドベータの蓄積量が10倍に増加した事が判明したようです。
その結果は歯周病がいかに侮れない病気なのかを決定づける情報でした。
歯周病は自覚がない中で進行する、静かな病気なのが厄介で、
気づいた時にはかなり進行しているケースも少なくありません。
さらに、脳内だけにはとどまらず、全身疾患のリスクも引き上げるとなると、
注視しなければいけない歯の病気です。
数ヶ月に一度でも歯のメンテナンスを受けて、既に歯周病の前兆がある場合は予防し、
すでに進行している場合はそれ以上悪くならないよう、改善、予防をしていく事が、
健康面でも大きなメリットになります。
そして、認知症患者を減少させる鍵となるかもしれませんね。