高齢化社会の現代は男女ともに平均寿命は世界トップクラスにまで伸びましたが、その一方で介護や寝たきりの問題も深刻化しています。
そんな中で気になるキーワードが健康寿命、病気や介護状態にならず自立して生活できるための寿命を少しでも伸ばしたいですね。
実は健康寿命を延ばすためには、お口の中の健康状態も関係しているという説が有力視されていますが一体なぜでしょうか。
日本人の平均寿命は2018年現在で男性81歳、女性87歳と年々右肩上がりですが、一方で健康寿命は各々72歳、74歳です。
これが意味するものとは、天寿を全うするまでに約10年以上の時期を、介護や病気などで自立して生活できないまま過ごすということです。
その中でもとりわけ深刻視されているのが認知症、認知症の原因は脳血管疾患などの病気以外に、実は食生活など生活習慣も関わっています。
生活習慣の中で欠かせない要素が食事、栄養バランスはもちろんのこと、咀嚼をすることによる脳への影響についても今注目されています。
あごを動かして歯で食べ物を噛む行為は、唾液を分泌して消化を助けて内蔵への負担を減らし、これによって腸内での栄養分の吸収も良くなります。
また、噛むことによって脳にも好影響があるとも考えられています。
咀嚼する時の刺激は脳に信号を送り脳神経を活性化させ、その働きが認知症の予防にも関連があるという見方もあります。
実際に、認知症の患者の多くには、歯周病や虫歯、歯の欠損など口腔トラブルが多い傾向も見られます。
さらに、噛む力がなくなると必然的に硬い食べ物を避けるようになります。
肉類や緑黄色野菜には、ある程度嚙み砕く必要のあるものが多く、こうした食品を摂らなくなると栄養バランスも心配になります。
年齢とともに食べられる量は少なくなりますが、それゆえにできるだけ多くの栄養分が必要になってきます。
そうならないためにも口腔ケア、特に歯の清潔維持は大変重要です。
虫歯や歯周病を予防し、必要に応じて義歯やブリッジを使いながら、できるだけ自分で噛んで食事がするようになりましょう。
食生活が豊かになり医療技術の進歩などによって日本人は長寿大国になった反面、病気や介護による健康寿命への問題も出てきました。
少しでも健康寿命を延ばすためには口の中のことにも目を向け、噛む力を取り戻して内蔵を丈夫にし、脳神経を活性化させ栄養を摂ることが大切です。
毎日口の中をきれいにするのは歯磨きと同じなので難しくありません、気づいてからでも遅くないので早めに対策しましょう。